養蜂作業の友 燻煙器 その3

燻煙器からは低温の白い煙が出てほしい.強い熱風が吹き出されたら,ミツバチの翅,体毛/剛毛,それに触角が焼けてしまう.

米国農務省・農業研究サービスで1997年にバロアダニに対する燻煙の効果をしらべた興味深い試験が行われている.40種の植物のバロアダニに対する防除効果を試験したもので,もっとも期待できそうな植物は乾燥させたグレープフルーツの葉とクレオソートブッシュ(多年生木質植物)だった.

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養蜂作業の友 燻煙器 その2

燻煙器の点火方法:燻煙材料の基本は天然素材で,油脂,殺虫剤,保存料などが着いていないものをえらぶ.燃焼缶の底部で点火する.良く燃え始めたら燃料を少し追加し,ふいごを吹いて燃え上がらせる一方,燃料をさらに追加する.底部から1/3ほどまで燃料が入り,ふいごの風で調子よく燃え続けているようなら,燃焼缶が一杯になるまで,燃料をげんこつでぎゅっと押し込み,さらにふいごを吹く.燻煙器のノズルから冷たい,白い煙が大量に出てくるまで,風を送り続けよう.

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養蜂作業の友 燻煙器 その1

養蜂家の作業効率には,どんな大きさの燻煙器を使い,それにどんな素材を詰めて燻煙剤として使っているかということが,大きく関わってくる.大型の方が点火しやすく,長時間消えずにいる.やけどを防止するガードがある方が使いやすい.燃焼させる素材しだいで,火が具合良く燃え続けるかどうか変わってくるだろう.

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ミツバチと父の日

 父の日(6月第3日曜日)を祝い,Facebook のEthnobeeology にアップされた「太った,お気楽な紳士達」と題された図です.

 お父さん蜂が息子たちにやさしく語りかけているのでしょうか?ミツバチの絵本などで見かけたことがほとんどないテーマですね.

 実際には,ミツバチの社会に父親と子の団らんは存在しないからです.

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見学旅行でハッタの養蜂基地へ その2

朝8時に集合場所に行くと,やや古めのマイクロバスにすでに乗客がすし詰め.私は補助席に座らせてもらい,出発しました.片道5車線のフリーウェイをドバイまで.そこから右折して砂丘が目立つ高速道をさらにひた走ると,やがて茶色い岩山が見え始めました.もう一度右折して,ついに山岳地帯に入ります.山はわずかに緑色を帯びているけれど,植物はごくわずか.山肌にスイカからメロンくらいの大きさの穴がときどき見えます.正午過ぎに養蜂基地に到着.容赦ない真夏の暑さ.

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見学旅行でハッタの養蜂基地へ その1

アラブ首長国連邦アブダビで開かれる,アピアラブ・エクスポに参加しようと決めた理由の一つが,大会HPの日程表に表れた4月4日の見学旅行でした.”8:00- 16:00 Trip to Bees Garden – Hatta, Dubai”.UAEのドバイといえば,アブダビ以上に砂漠と超高層ビルのイメージですが,ミツバチはどこにいるのでしょう.

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アブダビで アピ・アラブ・エクスポ その2

4月1-2日に,最新農業技術フォーラム(GFIA)がアブダビ国立展示センター(ADNEC)において,アラブ首長国連邦【UAE】副首相・大統領府大臣・アブダビ農業・食糧保証庁長官“シャイフ【シェイク】”・マンスール・ビン・ザーイド・アル・ナヒヤーン殿下の後援により,開催されました.

ミツバチはUAEがこのように大規模な展示会を企画し,農業新技術の導入により国内生産を増やそうとめざしている農産物の花粉交配をにないます.また昔からイスラムの人々に欠かせない甘味の元,ハチミツを生産するのもミツバチです.

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アブダビで アピ・アラブ・エクスポ その1

4月になり,あたらしい元号が発表されたとき,私は日本の様子が伝わりにくいところにいました.3月31日の夜に成田を発ち,アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビに向かったのです.偏西風に逆らって西に向かうフライト.飛行時間は通常よりのびて,12時間以上.延々と夜を飛んで来たのに,到着したらまだ夜中の午前2時前でした.

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施設園芸の花粉交配 その3 イチゴハウスで

 ハウスの中におかれた巣箱からミツバチたちがイチゴの花を訪れにでかけます.ミツバチは自分が食べるだけでなく,巣でまつ幼虫や他の仲間を育てるために,大量の花蜜や花粉を集め,貯蔵する性質があり,多くの花を訪れます.

 しかし閉鎖された施設の中,農作物の近くで働くことは,この勤勉な小さな生き物に多くの困難をもたらします.

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施設園芸の花粉交配 イチゴ その2

 2015年イチゴ生産高は全国で158,700トン.都道府県別では栃木県24,800トン,福岡県16,000トン,熊本県10,900トンがトップ3です.

 最近,イチゴは冬の果物として扱われ,本来の季節(5~6月)が忘れられがちですが,11月から出荷されるようになったのは,ミツバチが温室内で花粉交配を助ける現在の生産技術が開発された成果です.

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施設園芸の花粉交配 イチゴ その1

 昆虫が訪花し,花粉を運ぶことにより受粉が行われ,植物に実がなります.世界の食糧生産の9割をしめる作物100種のうち,70種がハナバチ類や他の昆虫の送粉サービスに助けられており,全世界で昆虫による花粉交配が寄与する経済価値は1500億ユーロに上ると推計されています.ミツバチは農業に関わる昆虫の代表.勤勉な送粉者として世界の食料安全保障(food security)に大きく貢献しているわけですね.

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